「すばらしい人間(自分)と向き合う日々で人生が虹色に・・・」
トモエの子どもたちは、自分が好き、だから人が好きになれる
トモエの生活は、家族みんなで人を好きになれる空気を日々そして、永遠に製造中!
園長 木村仁
「生命の誕生の不思議」から始まる、トモエの探究
トモエは、「生命の誕生の不思議」を出発点とし、その問いを大切な土台として、今も存在しています。胎児と母親とのあいだで交わされている、目には見えないミクロの「会話」。
そこに耳を澄ませ、生命がどのように生まれ、人間がどのように育ち、人と人とがどのようにつながっていくのか。私たちは、人間の命に秘められた不思議と神秘を、日々の生活の中で観察し、体験し、考え続けています。その探究に、終わりはありません。
胎児期、乳幼児期、児童期、そして大人へ
人間という存在を一つの方向からだけ見るのではなく、さまざまな角度から、立体的に、そして「球体的思考」で捉えていく。一人の人間の中にある身体(40兆の細胞の生命集合体)、心、感情、知性、生命、人との関係、そして大自然とのつながり。それらすべてを切り離すことなく、人間そのものを丸ごと観察し、探究していくことが、トモエの大切にしている姿勢です。人間には、まだまだ分からないことがたくさんあります。だからこそ、おもしろい。不思議と神秘の世界は、どこまで行っても尽きることがありません。知らなかった自分に出会い、知らなかった人に出会い、知らなかった世界に出会う。
「次は何が起こるのだろう?」
「この子は、何を感じているのだろう?」
「自分は、本当は何を思っているのだろう?」
そんな未知との出会いがあるからこそ、人間はワクワクし、ドキドキしながら生きていけるのではないでしょうか。そう考えると、人間って、本当におもしろいですね。
そして、そんなトモエのスタッフたちの毎日の生活を見ている子どもたちは、きっとおもしろいでしょうね!大人が笑ったり、失敗したり、夢中になったり、ときには「何をしているんだろう?」と思うようなことを本気でやってみたりする。子どもたちは、そんな大人の姿をよく見ています。ある日、卒園して小学一年生になった、にじ組(卒園後の呼び名)の男の子が、あるスタッフに尋ねました。
「ばかなことをするスタッフを、どう思う!?」
スタッフは答えました。
「おもしろいと思う。……おばかだなぁ、とも思うよ」
なるほど。
園長から見ると、トモエのみんなが、それぞれに「おばかさん!」をしているようにも見えるんだけどなぁ。でも、それはもしかすると、みんなが自分の気持ちを素直に表現しようとしている姿なのではないでしょうか。
うれしいときには、うれしい。
おもしろいときには、思い切り笑う。
分からないときには、「分からない」と言う。
やってみたいことには、本気で挑戦する。
失敗したら、失敗した自分も含めて受け止める。
大自然は、そんな私たちの姿すべてを、何も言わずに受け入れてくれています。大人が格好をつけすぎず、ありのままの自分を表現している。そんな大人がたくさんいるトモエの環境は、子どもたちにとって、とても大きなプレゼントなのかもしれません。乳幼児や児童たちも、周りに素直になれる空気があふれているからこそ、安心して自分を表現し、大人と一緒になって「おばかさん!」を楽しめるのではないでしょうか。そして、素直に表現してみることは、自分自身を知ることにもつながります。
「自分は、こんなことが好きだったんだ」
「本当は、こんなことを怖がっていたんだ」
「あの人は、こんなふうに感じていたんだ」
自分の思いを表現し、相手の思いを受け取ることで、それまで知らなかった自分や人に出会うことができます。
お互いが素直に表現できる関係には、理解し合うための入口があります。もちろん、人と人ですから、いつでも同じ気持ちになるわけではありません。違う考えを持つことも、ぶつかることもあります。だからこそ、自分の思いを表現しながら、相手の思いにも耳を傾ける。その積み重ねによって、「分かり合おうとする関係」が育ち、楽しい関係、信頼できる関係が、未来へと続いていくのではないでしょうか。そして、その根っこにあるのは、
「自分を好きになること。そして、人を好きになること」なのかもしれません。
自分を知り、自分と向き合い、自分を大切にできるからこそ、目の前にいる人も大切にできる。トモエでは、そんな空気を、子どもも大人も一緒になって創り続けていきたいと思っています。
自分と向き合っているからこそ生まれた、卒園生たちの言葉
卒園生たちは、ときどき、私たち大人が驚くような言葉を残してくれます。
「自分が好きでなければ、人も好きになれない」
自分を愛するように、隣人も愛する。そんな人間関係の根本を、自分の言葉で表現した一言です。
「ママ、パパも好き! 兄ちゃん、姉ちゃん、弟も好き! これから会う人も好き!」
まだ出会っていない人まで好きだと言える。未来の人間関係まで信じているような、「予知知能」とも呼びたくなる言葉です。
「一人一人を大切にできる大人になりたい」
自己紹介の「将来の職業」の欄に書かれていた言葉です。「何になるか」よりも、「どんな人間になりたいか」。すでに自分の未来を見つめているような言葉でした。
「その人の思いに合った、自分の思いを言える人」
道徳の授業で、「心の広い人とはどんな人ですか?」という問いに対して生まれた言葉です。ただ相手に合わせるのでもなく、自分の考えだけを押し通すのでもない。相手の思いを感じながら、自分の思いも伝える。人と人が共に生きるための大切な知恵が、この短い言葉の中に込められているように思います。それは夫婦関係、親子関係が土台となりますね。
「多くの人に支えられた人生を生きる」
胎児期、乳幼児期から現在まで、自分がどれほど多くの人に支えられてきたのか。高校一年生になった卒園生が、自分のこれまでの人生を深く見つめた中から生まれた深いふかい言葉ですね。
子どもたちは、私たち大人が思っている以上に、自分を見つめ、人を見つめ、世界を見ています。だから大人も、完成した人間として子どもの前に立つのではなく、一人の人間の永遠の親友として一緒に考え、笑い、迷い、失敗し、発見していけばいい。
「生命の誕生の不思議」から始まったトモエの探究は、今日も続いています。
人間とは何だろう。
自分とは何だろう。
人を好きになるとは、どういうことだろう。
共に生きるとは、どういうことだろう。
答えを急ぐのではなく、子どもたちと大人たちと大自然と共に、これからも問い続け、発見し続けていきたいと思います。
あっぱれ! 人間! あっぱれ! 自分! 人が好きになる、にじ組! みんな、大好き!
胎児乳幼児期から人間の基礎的観察探究の主な資料 ・1989年からの研修資料
・NHKサイエンス スペシャル驚異の小宇宙 人体 1生命誕生~6
・ “ ” ” 人体Ⅱ 脳と心 1~6
・NHKスペシャル 神秘の巨大ネットワーク 1~6
「生命誕生 見えてきた母と子のミクロの会話」
・ “ ” 人体 Ⅲ 命とは何か
第1集「命の源・細胞内ワンダーランド」
第2集「細胞40兆 限りあるから命は輝く」
第3集「命のつながり細胞40億年の旅」
第4集「果てしなき命の探求」
次回は、
「自分自身と向き合う人生」
「胎乳児期に自分と向き合う能力がどのように身に付くのか」
「大人は、乳幼児期の子どもから学ぶことができますよ。自分が自分をもっと知りたいと願い日々を歩むなら、きっと・・・」
現在までのトモエの観察研究文献から、表現します。






