壁を無くした設計
1988年4月、「学校法人 創造の森学園 札幌トモエ幼稚園」は、道より自然体験型特認幼稚園として認可され開園しました。園舎は、園長の木村 仁の基本設計により、教育理念が反映されやすい「オープンスペース」になっています。それは、子どもたちが自発性を思う存分発揮し、集中し、満足するまで遊ぶことが出来るように、様々な発想や活動を阻害する要因である教室の壁で区切られた空間を排除したかたちになっています。従来の「教室」は、「コーナー」に分かれているのです。また「オープンスペース」は、人間関係の理想である心に壁をつくらないという「オープンマインド」という考え方を反映させた形態です。以下に、その特徴を紹介します。
ダイナミックな活動展開
オープンスペースの園舎は、教室や廊下を仕切る壁がなく、広い空間を自由に使えるのが大きな特徴です。これにより、子どもたちは思いついた遊びや活動をすぐに始められ、走ったり大きな遊びをしたりと、のびのびとダイナミックに活動できます。壁による制限がないことで発想が広がり、友だちと協力して新しいことに挑戦しやすくなります。
多様な活動の選択
また、視覚や聴覚を通して周囲の様子を感じ取りやすく、興味を持った遊びやイベントにすぐ参加できます。音楽が聞こえたら歌や踊りに加わったり、遠くの面白そうな場所に行ったりと、自分の気分や興味で活動を選べます。
幅広い人間関係
さらに、広い空間は人間関係を広げるきっかけにもなります。楽しそうなグループに入りたくなったり、一人でいる子に声をかけたくなったりと、人に気持ちが向きやすく、友だちの輪が自然に広がります。
精神的な解放
精神的にも広い空間は解放感を与え、心を落ち着けたり、素直に気持ちを表現したりしやすくなります。時には広い場所で活動し、時には落ち着ける場所を選ぶなど、自分に合った過ごし方ができます。
子どもや大人の活動が把握しやすい
また、オープンスペースは大人にとってもメリットがあります。遠くまで見渡せるため、子どもやスタッフの様子を把握しやすく、危険や困ったことにもすぐ対応できます。多くの大人が見守ることで、安全で安心できる環境が保たれています。