壁を無くした設計

1988年4月、「学校法人 創造の森学園 札幌トモエ幼稚園」は、道より自然体験型特認幼稚園として認可され開園しました。園舎は、園長の木村 仁の基本設計により、教育理念が反映されやすい「オープンスペース」になっています。それは、子どもたちが自発性を思う存分発揮し、集中し、満足するまで遊ぶことが出来るように、様々な発想や活動を阻害する要因である教室の壁で区切られた空間を排除したかたちになっています。従来の「教室」は、「コーナー」に分かれているのです。また「オープンスペース」は、人間関係の理想である心に壁をつくらないという「オープンマインド」という考え方を反映させた形態です。

 

オープンスペースのメリットーその1

オープンスペースで空間が壁で区切られていないということは、子どもたちが自分の欲求に応じて、発想や活動をどんどんと広げていきやすいというメリットがあります。

 

オープンスペースのメリットーその2

視界も広いのでスタッフが子どもたちの活動を観察しやすいというメリットがあります。トモエでは、おもに午前中、子どもたちは自由に遊びます(自発活動の時間)。その間スタッフは、一緒に遊びながら子どもたちが何に興味をもち、どんな人間関係をもっているのかなどを観察しています。オープンスペースだと、離れたところにいる子どもも観察できます。また、子どもとの関わりを別なスタッフが観察することもでき、より客観的な情報が得られます。子どもたちが帰ってからのミーティング(会議)では、そのとき得た情報を出し合って一人一人の子どもの理解と、次の関わりへのヒントを得ることができます。

 

オープンスペースのメリット ーその3

スタッフにとっても、他のスタッフの動きが見えやすいので、互いに相手の動きをカバーすることができたり、また相手の動きから多くを学ぶこともできます。さらに、トモエには親もたくさん参加していますが、親とスタッフの間でも互いに子どもとの関わりを観察し、学び合うことができます。