紙コップ積みアート

12月15日(土)今日は卒園した子どもたちの活動日。6000個用意した紙コップで好きな形のオブジェを作ってもらいました。積む過程でどうしても少しずつ傾いていったり、高い所では手が震えたりして崩れてしまいます。そのたびにカラコロカラコロという音が宙に響きます。

みんな、自らに集中と慎重さを課します。緊張しようとする体とリラックスしようとする精神のバランスをとって、最高のパフォーマンスを出そうとしています。

最初は個人やチームで作っていましたが、最後はみんなでひとつの大きなオブジェを作りました。時々カラコロカラコロと音がします。直しても直しても、どこかでカラコロカラコロとなります。何とか6000個全部を使って巨大オブジェを作りたいというみんなの気持ちが、直しの作業を続けさせます。

帰りの時間が近づいてタイムリミットが告げられました。それでも黙々と作業を続ける子どもたち。しかし数か所で同時にカラコロカラコロと崩れ、修復は困難な状況に。すると、それまで負荷をかけていた心身がずっと求めていたであろう解放に向けて全員の意志が一瞬にしてひとつになり、一斉に倒し、蹴り、体当たりしての破壊行為に入りました。あっという間に粉々になったオブジェのかけらの中には、残念さと安堵感の入り混じった子どもたちのちょっと複雑な表情がありました。

最後は6000個の片付けです。みんな疲弊していて大変かと思いきや、スイスイと進むのでした。そう、そこには満足感があったのでしょう。自分を満足させてくれた紙コップのひとつひとつをいつくしむように重ね合わせ、ダンボールに丁寧に収納している彼らでした。

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