入園の集い

4月7日(日)今年度の「入園の集い」が催されました。トモエ幼稚園は、子どもだけが入園するところではありません。家族が入園するところです。ですから家族の紹介では、大きなブランコに家族みんなで乗ってもらいます。大きくゆっくりと揺れるブランコは、家族の心をひとつにし、そこに風を感じさせてくれます。

 

ここには多くの幼児教育施設とは違った風が吹いています。赤ちゃんから祖父母まで、園児の家族はいつでもだれでも参加できるので、バラエティに富んだ人が集っています。その人たちが、この場を自分の居場所として生活しているのですから、そこでは各々が主人公の物語りが紡ぎ出されているのです。

 

自分の人生に積極的である分、人間は様々な局面で風を感じます。ある時、心地よいそよ風に吹かれることもあれば、木枯しや逆風に抗うことも生じます。突然のつむじ風に飛ばされそうになることもあります。個々が感じている風は様々です。そして私たちは、その風の意味に気づくことができます。

 

風は目には見えないけれども、風に吹かれている人は目に入ります。だから、誰かに寄り添えば共にそよ風を感じることもできるし、飛ばされそうな誰かの手をつないでいてあげることもできます。人はそれぞれに人生の四季を生きています。春夏秋冬のリフレイン、そのたびに風に吹かれて人は成長します。各々が自分に季節の風を感じているでしょう。

 

子どもたちは毎日、このトモエで自らの満足を求めてどん欲に自分の生を突き進んでいます。それは今を肯定され、変化が約束されている未来への期待をたくさんの人から受けているからです。彼らには、肯定の風と変化への期待の風が吹いているのです。その風は、子どもたちだけに吹いているのでしょうか。いいえ、私たち大人にも吹いています。それが地球に流れる偏西風のように、ゆったりとした大きな流れとしてここトモエには吹いています。