①母子関係と家族関係の深まりをつくる場

 

・母子の絆(愛着)

トモエ(コミュニティ)幼稚園では、母子を無理に引き離すことなく、母子の絆(愛着)を大切にしています。このような環境の中で、子どもは情緒的な安定を得て、安心して様々な側面の発達を遂げ、しっかりとした人格形成の基盤が築かれます。また、母親自身も子どもと共に過ごすことで多くの学びを得ることができ、親子双方の成長が促されます。母子の関係を尊重することで、子どもは自信を持ち、母親も育児に対する理解や気づきを深めていきます。このような積み重ねが、家族全体の絆を強め、豊かな人間関係の土台となります。

 

・家族間交流

トモエでは、多様な家族と交流することで、夫婦や親子、きょうだいなど自分の家族関係について新たな気づきや学びを得ることができます。他の家族の在り方や価値観に触れることで、自分たちの関係を見つめ直し、より良い関係づくりのヒントや刺激を受け、家族全体の成長や絆の深化につながります。このような環境が、子どもだけでなく大人にとっても貴重な学びの場となっています。  
 
 

②胎・乳幼児から人間の本質を学ぶ場  

 

・生命の不思議や神秘

トモエでは、妊婦を身近に感じることを大切にしています。胎内で新しい命が育まれる過程や、その命を守り育てる母親の存在の大きさに気づくことで、生命の不思議や神秘を実感します。また、胎児期から始まる母子関係に思いを馳せることで、親子の絆や愛着の原点を見つめ直す機会となります。妊婦自身も、日々変化する自分の身体や心を通して、命の尊さや母親としての自覚を深めていきます。このような体験を通じて、子どもたちや家族、そして地域全体が生命の大切さを学び合い、支え合う温かなコミュニティが育まれています。
 
 

・子どもの丁寧な観察

トモエ(コミュニティ)幼稚園では、乳幼児の言動や生態を丁寧に観察することを大切にしています。これは単に個々の子どもを理解するだけでなく、「子ども」という存在そのものを深く知るための営みです。観察を通じて、社会的な影響や先入観に汚染されていない純粋な人間の姿を探り出します。その際、観察者は生態学的な態度、すなわち対象である子どもを一方的に評価したり操作したりせず、ありのままを尊重し、子ども自身の主体性や個性を認める姿勢を持ちます。このような観察を積み重ねることで、子どもたちの本質的な成長や発達を理解し、より良い関わり方や支援の在り方を模索していくことができるのです。  
 
 

・人間の本質を考える

トモエでは、乳幼児との日々の関わりを通して、偏見や先入観にとらわれない純粋な人間の姿に触れることができます。乳幼児期は、情緒的・知的・社会的な発達が著しい時期であり、その成長の過程を間近で観察することで、子どもたちがどのように世界を受け止め、他者と関わり、自己を形成していくのかを深く理解することができます。また、こうした体験を重ねる中で、大人自身も「人間とは何か」「人間はどうあるべきか」という根源的な問いに向き合い続けることができ、子どもと共に成長し続ける姿勢を育むことができます。乳幼児との関わりは、未来への成長の見通しを持つとともに、人間の本質を考え続ける貴重な機会となっています。  
 
 

③在園家族、卒園家族、スタッフと共に、ワクワクした生活を創造する場

 

・ワクワクする共生

ユネスコは2023年11月、「平和、人権、持続可能な開発のための教育勧告」を発表し、共生とワクワク感を大切にする教育の重要性を強調しました。トモエ(コミュニティ)幼稚園も、多様な人々が共に学び合い、互いを尊重しながら協力し合う「ワクワクする共生の場」を目指しています。子どもたちや家族、スタッフが一体となり、安心して成長できる環境づくりに努めています。
 
 

・自分の居場所

トモエ(コミュニティ)幼稚園では、子どもや家族が多様な人々と交流する中で、自らの居場所を見つけ、その存在を実感できる環境を大切にしています。様々な関わりを通じて自分の役割や価値を感じ、安心して過ごせる「居場所感」が育まれます。  
 
 

・喜びを分かち合う

トモエでは、子どもや家族が自ら心地よさや楽しさを見つけ出し、他者とその過程を分かち合いながら日々を過ごします。この体験を通じて、自分自身の人生を主体的に創造する力が育まれ、豊かな人間関係や自己肯定感が深まります。共に喜びを分かち合うことで、人生を前向きに歩む姿勢が培われます。
 
 

・生活を分かち合う

トモエでは、共に食事をしたり作業をしたり、日々の生活や感情を分かち合うことで、家族やスタッフ、子どもたち一人ひとりの間に深い絆が生まれます。こうした体験を通じて、互いに信頼し合い、協力しながら責任を分かち合う力が自然と育まれていきます。  
 
 

・心と体の共鳴

トモエでは、子どもや家族、スタッフが一緒に歌い踊ることで、心と体が共鳴し合い、自然と気持ちがひとつになる体験を大切にしています。このような体験は、年齢や立場を超えて人と人とが深くつながるきっかけとなり、人類にとって不可欠な共感や一体感を育みます。  
 
 

・公共心や思いやり

トモエでは、子どもや家族、スタッフが日々の生活や活動を通じて様々な気持ちを分かち合い、互いに責任を持って関わることで、しぜんに公共心や思いやりの心が育まれます。こうした経験の積み重ねが、社会の一員としての自覚や他者への配慮を深め、豊かな人間関係の基盤となっています。  
 
 

・いつでも帰ってこられる

トモエは、卒園後も誰もが気軽に参加できる「ふるさと」のような存在です。子どもたちが成長した思い出の場所として、いつでも戻り、家族や仲間と再び交流し、安心して過ごせる温かなコミュニティが広がっています。  
 
 

・親友家族

トモエでは、卒園後も家族同士の交流が続きます。子どもたちだけでなく、保護者同士も深い信頼関係を築き、親友のような家族となることが多いです。行事や集まりを通じて絆が強まり、卒園後も互いに支え合い、安心してつながり続けられる温かなコミュニティが広がっています。