子どもへの影響

 
 

①親の存在がもたらす子どもの安心と情緒の安定

トモエにおいて親が積極的に参加し、子どもと共に過ごすことは、子どもにとって大きな精神的支えとなります。親が身近にいることで、子どもは「自分は大切にされている」「守られている」という安心感を得やすくなり、情緒が安定します。また、親が自分自身と向き合い成長しようとする姿を間近で見ることで、子どもも自分を肯定的に受け止めやすくなります。こうした安定した愛着関係は、子どもの自己肯定感や自信の土台となり、困難に直面したときにも自分を信じて乗り越える力を育みます。親の存在は、子どもの心の「安全基地」となり、安心して新しいことに挑戦できる環境を創っています。
 
 

②豊かな人間関係の構築と社会性の発達

親の参加によって様々な大人がいることは、乳幼児が豊かな人間関係を築き、社会性を発達させるうえで非常に重要です。親だけでなく、他の保護者やスタッフ、多様な大人と日常的に関わることで、子どもは相手の気持ちを感じ取ったり、思いやりや配慮の心をしぜんと身につけていきます。また、安心できる大人のもとで身体的な関わり(たとえば闘いごっこや抱っこなど)を経験することで、力加減や距離感といった人間関係の基本を学びます。こうした多様な関わりの積み重ねが、子どもにとっての社会の広がりとなり、集団生活の中で自分らしく振る舞う力や、他者と協力し合う力の土台を育てていきます。
 
 

③感性と知性の発達、そして主体性の育み

親と共に安心して遊んだり自然の中で体験を重ねたりすることで、子どもは五感を使って世界を感じ取りやすく、豊かな感受性を育みます。また、親子で一緒に考えたり発見したりする過程では、子どもの知的好奇心が刺激され、物事を深く考える力が養われます。さらに、親が自分の生活を楽しみ、主体的に行動する姿を間近で見ることで、子どもも自らの人生を前向きに捉え、自分らしく生きる力を学びます。親をはじめ様々な大人との対話や共同体験を通じて、子どもはコミュニケーションの楽しさや他者との関わりの大切さを実感し、主体的に行動する基盤が築かれていきます。
 
 

④家族全体の成長と世代を超えた幸福の伝達

親が子どもと共に多様な人々と関わる経験は、親自身にも新たな気づきや学びをもたらします。親が成長し、視野を広げることで、親子関係はより豊かで柔軟なものとなり、家庭全体の雰囲気や絆も深まります。こうした家族の成長は、子どもにとっても安心感や自己肯定感の土台となり、世代を超えて受け継がれる「幸福感」や「生きる力」として伝わっていきます。親の姿勢や価値観がしぜんと子どもに影響を与え、家族の中で育まれた温かな関係性や幸福感が、次の世代へと連鎖的に伝達されていくことは、トモエの親参加の大きな意義のひとつです。