オープンスペースの特徴
①ダイナミックな活動展開 ~ 壁の仕切りがないことで生まれる発想と活動の広がり
トモエの園舎には教室や廊下を区切る壁がありません。そのため、子どもたちは広い空間を自由に使うことができ、遊びや活動の幅がとても広がります。例えば、走ったり、みんなで大きな遊びをしたり、思いついたことをすぐに実行できる環境です。壁がないことで「ここまでしかできない」という制限がなくなり、子どもたちのアイデアや工夫がどんどん生まれやすくなります。自分たちで遊びを考えたり、友だちと協力して新しいことに挑戦したりする中で、のびのびとダイナミックに活動できるのが大きな特徴です。
②多様な活動の選択 ~ 主に視覚的聴覚的なアンテナで刺激をとらえ主体的に活動を選択できる
オープンスペースの園舎では、教室や廊下に壁がないため、子どもたちは周りの様子をよく見たり、音を聞いたりしながら自由に行動できます。たとえば、遠くで面白そうな遊びをしているのが見えたら、すぐにそこへ行って参加できますし、好きな友だちや教師がいる場所にも気軽に近づけます。また、音楽が聞こえてきたら、その場に行って歌ったり踊ったりすることもできます。このように、オープンスペースでは自分の興味や気分に合わせて、いろいろな活動を自分で選んで楽しむことができるのが大きな特徴です。
③幅広い人間関係 ~ 心が自然に人に向く
人は、慣れた空間では、テーブルや椅子、おもちゃなどの物質的な物よりも、人間に興味や関心が向きやすくなります。オープンスペースの園舎は、壁がなく広く見渡せるため、人への気持ちが自由に動きやすいのが特徴です。たとえば、楽しそうなグループがあれば「自分も入ってみたい」と思ったり、一人でいる子を見つけて「声をかけてみよう」と感じたりします。自分の心が自然といろいろな人に向かいやすいので、気になる友だちや教師のところへもすぐに行けます。その時の気分や直感で人を選びやすく、友だちの輪も広がりやすくなります。オープンスペースは、心の動きに合わせて人と関わるきっかけがたくさん生まれる構造なのです。
④精神的な解放 ~ 素直な表現
人は、自分がいる空間の広さによって、心の感じ方が変わります。狭い場所では圧迫感を覚えたり、ストレスを感じたりすることがありますが、広い場所では開放感があり、気持ちが落ち着きやすくなります。また、自分の気分によって、広い場所を好んだり、逆に落ち着ける小さな場所を選んだりすることもあります。広い空間では、心が自由になりやすく、気持ちを素直に表現できるようになることもあります。オープンスペースの園舎のような広い環境では、子どもたちは周囲に気をつかいすぎることなく、自分の思いをのびのびと表現できるようになります。こうした空間は、子どもの心の安定や、自然な自己表現を育む大切な場所なのです。
⑤子どもや大人の活動が把握しやすい(スタッフにとって)
これは子どもたちの活動にとってのオープンスペースの意義ではなく、彼らを見守る教師(スタッフと呼ばれている)にとっての意義です。トモエでは、決められた場所で主に活動するスタッフと比較的フレキシブルに動けるスタッフに分かれて子どもたちと活動しています。オープンスペースの園舎では、遠くまで見渡せるので、子どもたちの活動やスタッフの動き、また一緒に来ているお母さんや園児のきょうだいの様子を観察しやすいというメリットがあります。トモエでは、たくさんの大人の目で子どもたちを見てそれぞれの責任で関わることを大切にしています。危険なことや大人の助けが必要な時には、臨機応変に大人が対応できることも必要です。そうしたことに大きなメリットがあるオープンスペースの園舎です。